読み物

お茶を通して
自分の住む国の文化を
深く知ることが出来る

はなさん (モデル)

神奈川県横浜市出身。2才から横浜のインターナショナルスクールに通い、17才からモデル活動を始める。上智大学進学後もモデル活動を続け、テレビの司会、ナレーション、エッセイの執筆など活動の範囲を広げる。英語、フランス語に堪能。趣味は、お菓子作り、仏像鑑賞。2017.9月国宝応援大使に就任。
インスタグラム @hanalovestaco

お茶(茶道)をはじめたきっかけを教えてください。

祖母から受け継いだ着物を着られるようになりたくて着付けを3年前に習ったことがはじまりです。自身で着られるようになったことで、着ていく場所が欲しくなりました。それと、祖母がお茶をやっていて一緒に住んでた時にお茶の席に参加することがあったので、昔から漠然とお茶をやりたいと思っていたんです。
そんな時にNHKの『知恵泉』という番組の「千利休」特集に出演させていただく機会があり、茶道研究家の筒井紘一先生の話がとても面白かったんです。すぐにお茶をはじめようと思ったのですが、忙しくてなかなかスタート出来ずにいたら、月刊「淡交」でお茶の世界の職人さんのお話を伺いながら私がお茶を勉強していくという連載が決まり、その連載1回目の直後に習い始めました。 お茶を始めるには気合がいりますよね。一生ものというか。自分にある程度余裕がないとはじめられない。無理をせず、きっかけがあればはじめたいと思っていたのですが、良い機会をいただいて。それが1年半くらい前ですね。

お気に入りの茶道具を教えてください。


おばあさまに贈った茶碗

最近、従妹の家で祖母が使っていた茶道具が発見されたのですが、その中の一つで、私的に一番ぐっときた道具がこのお茶碗です。 これは、昭和47年に親戚で箱根小涌園に遊びに行った時に、皆で絵付けをして祖母に贈ったものです。箱根小涌園は親戚で毎年遊びに行っていた思い出の場所でもあるのですが、私が1歳の時ですね。 46年前のものなのですが綺麗に保管がされていて、こうやって道具は大切にされていくものだと教えられました。

お茶をすることで日常生活に変化があったら教えてください。

お茶をはじめた時、初めに正座をして、手をついておじぎをすることを習ったのですが、最初は戸惑いました。教わったこともなかったし、そういう場もあまりなかったので。 ただ、お稽古の度に毎回やるので、今ではそういう場があっても、前より自然と出来るようになったんじゃないかと思います。 あとは、季節の移り変わりを気にするようになったと思います。 茶杓の銘を考える。というお稽古があるのですが、季節の変化を表現するために色々と調べて、道具に合う銘を考え、それをあえて言葉にして名前を付けるという、千利休が得意だったと言われていることをやることで、以前に比べて季節の変化にもっと目を向けたり、知らなかった名前を調べたり、そこにひねりを加えたり…。そういう行為がとても楽しいです。銘は先人が考えたものもあるのですが、それは使わず自分で考えています。

お茶はあなたにとってどんな存在ですか?

お茶は非日常的な空間で行いますよね。日常とは違う異次元な空間で何かをするというのが、普段の生活とは違う時間なので、頭の切り替えにもなります。美味しいお菓子とお茶をいただけるのも嬉しいし、普段出会うことがない方と出会うこともあって楽しいです。 先ほどもお話しましたが、以前に比べて道端に咲いている花を気にしたり、ニュースで聞こえてくる季語を気にしたり、今まで気づかなかったことに気づく心を持たせてくれました。

あたためているお茶会のプランをそっとおしえてください。

来年、「淡交」の連載をまとめた本を出す予定があり、その中に「お茶会を開く」というパートがあるので、お茶の世界に入るきっかけを与えてくださった筒井先生のためのお茶会を考えています。 もともと御菓子をつくったり、人を喜ばせることが好きだったのですが、お茶は一服のお茶を飲んでいただくために、ここまでやるのか!という究極のおもてなしだと思います。 お茶会では、お茶を飲んで胃を痛めないように先に懐石をお出しするといった、日本人ならではの細やかな気遣いが息づいています。 すべての行為が全て、相手を想ったおもてなしにつながっていきます。なかなか準備が大変ですが、楽しんでやっています。
内容は詳しくはまだお話できませんが、連載の中でおそわったことを、少しでも盛り込むことが出来ればと思います。筒井先生に驚いていただけると嬉しいですね。 道具は祖母が残してくれものを使ったり、先生にお借りして背伸びせず無理のない範囲でやろうと思っています。少し自作のものも盛り込みたいです。 お茶をはじめて1年半で、こんな機会を頂けたので、自分が出来ることは全てやるつもりで頑張っています。自分しか出来ないことをやりたいです。

お茶をやられていない方へ、お茶の愉しさを一言お願いします。

お茶を通して自分の住む国、日本の文化を勉強することが出来ると思います。 私は仏像が好きなので、仏像を通して日本文化を学んできたのですが、お茶をはじめるとさらに広いベクトルでものを見られるようになった気がします。お茶を勉強して、知らないことがたくさんあることに気づきました。
お茶を始めたい方は多くても、ハードルが高いという意識があるように思います。 考えているとはじめない理由の方を探してしまうけれど、やりたいと思うなら早く始めることをお勧めします。 歴史を学び、良いものを見て、本物を見極める目を養える。感動する心というか、感じられる人になれるのがお茶の世界。 まずは、楽しんでください。御菓子も本当に綺麗だし、お茶も美味しい。そんな小さなことから始めたほうが、ハードルを高く感じないと思います。 お茶は深く、先が長い世界なので早く始めたほうがいいですよ(笑)。

編集後記

相手の喜ぶ顔を想いながらお菓子を選び、器を合わせる。花を活け、場を設える。お茶会は究極のもてなしであり、自身の美意識を磨く場になります。 おしゃれでもてなし好きというはなさんが亭主のお茶会、ご本で拝見出来るのが楽しみです。

一覧に戻る